マンションの防水の悩み解決

非露出防水が劣化する理由

非露出防水が劣化する理由

非露出防水は保護層があります。
それでも劣化します。
それはなぜなのでしょうか。

 

露出防水は、紫外線による劣化を受けるので、
耐久性に限界があることは理解できます。

 

ですが、非露出防水は、劣化要因となる紫外線が、
保護コンクリートによって遮断されているので、劣化しないはずです。

 

このようなことから、露出防水に比べて耐久年数も長く想定されていますが、
20〜30年後、平均25年くらいたつと、漏水が生じることがあります。

 

50年以上経過した建物を解体する際、
アスファルト系の非露出防水層を調査したところ、
防水層が劣化している箇所は、保護コンクリートの目地の下、
そして、立ち入り隅廻りだけで、それ以外の箇所では殆ど劣化していませんでした。

 

このことから、劣化は保護コンクリートの湿度変化による
伸縮の影響で生じると推定することができます。

 

目地の動き

 

保護コンクリートは、温度変化によって伸縮します。
そして、伸縮は、目地の動きとなって現れます。

 

目地の動きは、官民連帯共同研究によると最大で3mm動くと実測され、
報告書に記載されています。

 

この目地の動きは、日々の温度変化によるくり返しの動きによるものです。

 

防水層は、くり返しの動きによるストレスを受けると、
疲労が生じて破断し、穴があいて漏水します。
疲労で破断する期間は、20〜30年と想定されています。

 

防水層には、下地コンクリートにひび割れが生じても、
長期間に渡って破断しないことを期待しています。

 

下地コンクリートのひび割れは、最大1mm程度で、
温度変化による動きは0.1mm程度です。

 

コンクリートの動きを鉄筋が拘束しているので、
動きが意外と少ないのです。

 

下地コンクリートのひび割れは、最大1mm程度で、
温度変化による動きは0.1mm程度です。

 

この程度の動きであれば、
アスファルト系防水層は簡単に破断することはありません。

 

ですが、保護コンクリートは鉄筋を入れない無筋コンクリートが通常です。
目地の中にももちろん鉄筋は入っていません。

 

無筋コンクリートは殆ど拘束を受けず、
主に温度変化によってくり返し伸縮し、その結果目地が動き、
最大3mmの幅になってしまいます。

 

また、目地には目地材をモルタルで先に固定し、
コンクリートを流し込んで表面をコテで均して仕上げます。
そして、目地材は勾配を確保するための定規を兼ねているので、
いわゆるモルタル団子によって仮に固定します。

 

モルタル団子によって仮に固定する際、
目地材の下と防水層の間にすき間が生じ、
そのすき間にコンクリートが流れ込んで目地材の下で連続した状態になる
という点も、目地の動きが、最大3mmの幅になる理由だと考えられます。

 

すべての目地は、均等には動きません。
コンクリートは、目地で分割されているはずのものが、
いくつか繋がってユニットとしての動きになり、
殆ど動かない目地と、大きく動く目地が生じます。

 

その結果、最大3mmの動きになる目地がある一方、
動きは殆どない目地があります。

 

防水層は、下地コンクリートのひび割れとその動きで破断するリスクは少ないです。

 

ですが、保護コンクリートの目地の3mmの動きは大きなリスクとなります。

 

つまり、耐久性を高めるための保護コンクリートが、
逆に、破断の原因になるという皮肉な結果になることがあります。

 

この対策として、防水層の上にポリエチレンフイルムを敷き、
保護コンクリートを打設する方法があります。

 

ですが、目地材をモルタル団子で固定する時、
フイルムの上では接着せず、すべってずれてしまうので、
やりにくいという事情があり、
防水層の上にポリエチレンフイルムを敷き、
保護コンクリートを打設するという対策がとられていない屋根が多いです。

 

また、非露出防水の他の劣化原因として、
防水層と保護コンクリートの間に雨水がたまってしまうということもあげられます。

 

防水層と保護コンクリートの間に雨水がたまると、
たまった水には、保護コンクリートのセメントの水和生成物である
水酸化カルシウムが溶け込んでいて、強いアルカリ性を示す水になります。

 

アスファルト系は、強いアルカリ水であっても、
水の滞留が劣化の原因になることはあまりありません。

 

ですが、例えば、合成ゴム系シート防水では、
シート接合部の接着剤が、アルカリ水によって劣化を生じることがあるので、
耐久性に問題があるとされています。
よって、合成ゴム系シート防水は、非露出防水には使用しないのが常識です。

 

ウレタンゴム系塗膜防水では、
塗膜が加水分解によってワカメのように膨潤する形で劣化することがあります。
つまり、耐久性に問題があるとされ、
ウレタンゴム系塗膜防水は、非露出防水には使用しないのが常識です。


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